まずはじめに。
特に“役に立つ”情報は何も無い投稿です(笑)
なんとなく思い立ってつらつら書いてみただけという…。
私はここ最近、意識して物語の本を読むようにしています。
意識しないと読めません。
つい、楽なほう楽なほうへと、スマートフォンに、SNSなどに手が伸びてしまいます。
元々、本が大好きだったはずなのに。
子育て、仕事との両立に忙しい“やらなきゃいけないこと”にあふれた毎日の中で、なかなか“別にやらなくてもいいこと”である、読書へのモチベーションを見いだせないでいたのです。
とはいっても、子育ての本、教育の本、受験本、頭が良くなる本、ビジネス本は読んでいました。
何か“役に立つ情報”が書いてありそうだったから。
そして何か自分に役に立つことが書いてあれば“いい本”、役に立つことが書いてなければ“くだらない本”と分類するという…。
ここ最近、私が小説を読むようになったのも、元々は中学入試で数多く取り上げられた小説、来年の入試で出るかも?とSNSでウワサされていた小説などを“何か役に立つかも?”と読みだしたのがきっかけなわけで…。
ふーん、こういうのが中学受験で出るわけね~なんて気持ちで何冊かパラパラ読んだ中で、特に心に残ったのが安田夏菜さんの『むこう岸』という本です。
【対象:小学上級以上】第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。
和真は有名進学校で落ちこぼれ、中三で公立中学に転校した。父を亡くした樹希は、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。『カフェ・居場所』で顔を合わせながら、お互いの環境を理解できないものとして疎ましく思う二人だったが、「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理に、できることを模索していく。立ちはだかる「貧困」に対し、中学生にも、為す術はある。児童文学作家のひこ・田中氏推薦。
今年の第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。
これまでにもこの賞の受賞作は入試に取り上げられることがあったとのことで、読んでみました。
久しぶりに心揺さぶられました。
傍から見ると家庭にも恵まれ、有名進学校に入学するも落ちこぼれてしまった少年と、生活保護を受けながら毎日をただ生きることで精いっぱいの少女の出会い。
それぞれの視点で描かれる、貧困と、息苦しさと、生き苦しさと、やっと見つけた自分の居場所と、喪失と、そしてまた立ち上がる力と。
私にとって“役に立つ”ことは何も書いていなかったけど(うちの子、小2と年長なんで、まだまだ入試に出るかもとか関係なさ過ぎてハッハーンなわけで)、すっかり乾いてしまっていた私に、読書の喜びを思い出させてくれました。
ついね、
子供にも“役に立ちそうな”本を選んで与えてるかもしれない。
これは社会の知識が付きそうだ、これは理科の興味をそそりそうだ、金銭感覚を養うにはこの絵本はどうだ、という具合に。
もちろんそればかりではないけれど、私が子どもに本を選ぶ時、どこかそういう意識は働いているかもしれない。
役に立たなくてもいい、心揺さぶられる体験を。
自分の知らない世界を知ることを、自分の内にある感情をあらためて外から確認することを。
登場人物に感情移入して、胸がギュッとなるような思いを、子供たちが読書で体験してくれるといいなと思いました。
「1冊の本で、その作家の一生分の、一人の人の人生観に触れられるのが読書なんです」
とある塾の先生がおっしゃってました。
「色んな心情を知るのに手っ取り早いです。体験したことの無いことも、読書を通じて体験できるんです」
国語の“読解力”のお話の時でした。
役に立たないかもしれない小説を読んで、心揺さぶられた経験が、いつか役にたつかもしれない。
役に立たなくても、読書そのものが人生を豊かにもしてくれるよな~あ~読書っていいですね…と思いながら、今私が読んでいるのはこちら。
【内容紹介】
灼熱の夏、23歳の母・蓮音は、 なぜ幼な子二人をマンションに置き去りにしたのか。
真に罪深いのは誰なのか。あの痛ましい事件に山田詠美が挑む。
虐げられる者たちの心理を深く掘り下げて、日経新聞連載時から話題を呼んだ、迫真の長編小説
憂鬱な通勤電車も、 通勤時間が長ければ長いほどたくさん本が読める♪と思うと、あっという間にもう着いちゃった~となります。
人生が豊かになる読書習慣、取り戻せたらなと思う今日この頃です。